2020年08月29日

「ゆめ」

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  ゆめ

雪原をあゆみしのちの目の闇の緑の春はいまだし遠し

朝まだきかまどの湯気ののぼりくる 杵搗く音はすこしくぐもり

掛布団はねのけ土間へかけおりるおもちつきだねお餅搗きだよ

じいちやんが降り下ろす杵つき臼からお餅がはねる相の手が「はい」

ばあちゃんの鼻水ぽとりあんこ餅うる餅芋餅ぬくぬくできた

前髪の毛たぼのかろししぼしぼの赤い鹿の子を桃割れにまく

初髪の桃割れにさすかんざしのつまみ細工に揺れるビラビラ

百足屋の足袋はキャラコの白足袋で小鉤をとめるくすぐつたさに

首すぢにさやるウールの暖かさ母仕立てたる朱の格子縞

夜半の波がシーグラスひとつ零したりやがて涙は枕をぬらす



  tamayaさん、ありがとう。
ラベル:短歌
posted by 文(ぶん) at 08:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この欄にてはお久しぶりです。
「ありがとう」って……? ああ、そうだった、僕のmixiの記事(8月26日)のコメント欄でしたね。^-^
かつては文さんのブログと切磋短歌ブログを毎回楽しみに見ていましたのに、のに… …
Posted by tamaya at 2020年09月18日 09:18
>tamayaさん
このブログにコメントをくださるのはtamayaさんお一人です。なので、放置しないようにがんばらなきゃヽ(^。^)ノ

こころの整理の付かないこともあるけど、きょうは2か月ぶりにプールに行ってきました。体を動かさないことには、こころが動いてくれない・・・、かもしれない(^_^;)、わたしの場合、ね。
Posted by 文 at 2020年09月18日 13:47
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