
不要不急の
満中陰に集ひし一家眷族の子嫁婿孫曾孫甥姪
初節句もものお花のヘアピンをあかごの髪に付けむとするも
じようびたきに案内される春の道とほまはりして郵便局まで
ひよどりのほほの赤茶が日に照りて桜花芽ははじけむばかり
川岸に腰をおろして、黄せきれいとんび飛行機みな飛んでゆく
花びらがふりくる川面を初つばめ過りぬたれにもあはない四月
おばあちやんは怒らないのと七歳に訊かれてガオーと吠えてみるなり
おとがひのラインがすこし尖りきて二年二組に進級をせり
晴雲トンネルぬければ山の陰りには雪のこりゐて中国山地
ラベル:短歌