
還浄
眠つてゐるやうできれいな顔をして 言へば義弟がこくり頷く
妹の八十五歳が「姉さん」といひてはらはら涙をこぼす
をぢさんとをばさんそれぞれ足弱で息子と夫がお悔やみに来る
葬儀社の佐藤さんに指示されるまま納棺したりブラウス入れつ
孫嫁がお母さんより持たされし渡し賃二千円棺にいれる
二仏なる読経の声にひい孫の泣き声が和し葬儀はすすむ
日和雨やがてあがりぬ中洲では川鵜が羽を広げてをらむ
「還浄」を見ましてと言ひご婦人がみたり訪ひくるものみの塔の
ラベル:短歌
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |