日日些末
怒り失望困惑哀訴ないまぜの目をしてわたしをみるのはやめて
いやだいやだが高じるときにパソコンのカードゲームに沈みゆくなり
雪原にさんざめきつつマシュマロを火にかざしたることがありたり
フォート・マクマレイの原によこたはり極光を待ちしこともありたり
ストーブを消したる後のひだりほほ冷えゆくばかり重きまなぶた
水鳥の胸のにこげにくるまつて今日いちにちをお仕舞ひにする
六歳とマックで食べる楽しみはおまけのおもちやの棚卸しなり
目のはじが少しとがつてでもそれは眠そうな目で目があえば笑む
いつぽんの電話がわたしを甘やかす甘やかされる子供のやうに
くすのきの葉叢きらきら如月のねヱ亜希子ちやんついていくから
松江地裁裁判員裁判法廷にしんとあかるい静けさがある
宍道湖の波をイメージしたといふ天井三角波のギザギザ
証言席あたりの床にテープにてバミリしてある少しめくれて
松江検察審査会補充員としてロビーにエレベーターをよびたり
夕暮れのやうなくらさに時雨きて宍道湖岸の葦をなびかす
にんぐわつの桜冬芽はかたきまま艶めいてゐる雪をかぶりて
ものをみる視野せまければ人間を好きと嫌ひで分別をする
現実が虚構を超えるといふ台詞いかさま陳腐にあればいひたい
ははそば・・・つらつらいづることばなく三日ばかりも放置してある
手のひらを合はせ頭上に掲げなさい胸深く息を吸ひ込みながら
ラベル:短歌