2017年01月30日

いびつなる花梨がひとつ下がりをり今日することを明日に残して

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ジョウビタキ。


白い紋が美しい鳥です。
ラベル:短歌
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2017年01月29日

短歌人誌 二月号より その一 会員2欄

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きみのためにしたんだよ と真夜中にドアの外から声がする     いなだ豆乃助

   アパートかなんかでせうか、ドアの前を通りすぎる人の声が聞こえてくる。
   一枚のドアを挟んで、知らない人の生が通過する。


どうしやうもかうしやうもないときにグイとひとのみ水原紫苑     岩月園生

   作者には水原紫苑が効くのね。
   わたしは・・・、最近歌集を読んでないなぁ、反省。


針穴に黒糸とほし自らにズボンの尻を縫ひにけるかも     河村栄二

   中年だか、初老だか、おぢさんにのちつよつと得意げな様がみえる。
   「尻を縫」ふところに、可笑しみがある。


バス停に待つ吾が影は数台の車に轢かれなお元気なり     高橋寿美子

   結句まで、やや不穏な雰囲気であつたのが「元気なり」と展開するところ、読者も元気になる。


がさがさの手に付けられしクリームの君の香りと一日あそぶ     安野文麿

   このハンドクリームは作者の手に付けられた?
   それとも「君」の手に付けられたもの?
   どちらでも、素敵。


デパートの光は妙に明るくて何も買はないわたしも照らす     桃生苑子

   人工照明はあまねく当たる。
   当たりたい人も当たりたくない人も、当てたいものも、当てたくないものも。
   むむ
ラベル:短歌
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2017年01月28日

「かみひかうき」

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  かみひかうき

秋長けてシルバー人材センターの草刈り隊が土手にいこへる

いちぢくの大葉のゆるるひとところ熟れ実ついばむ鵯の影みゆ

ガラケーにをりをり歌の種を書くハザードランプをつけ道の辺に

三歳がおばあちやんちにお泊まりす ちよつと妬けると母さんが言ふ

三歳を五歳がひざにかかへこみローラー滑り台をわらつて

ターザンロープに下がりし後の三歳がおさるのジョージみたいねといふ

じんせいはかみひこうきと助手席のチャイルドシートで五歳が歌ふ

従姉妹らと別れてのちに三歳がゆうちやんひとりぼつちといひぬ

若犬と歩みし路を秋の日にひとりで歩むケータイ連れて

道案内するせきれいの黒き背を見つつ二分がほどをつきゆく
ラベル:短歌
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