短歌人誌 十一月号より その四

底白も絞りもよろし早起きを夫とわかちて朝顔の夏     並木文子    朝顔の呼び名になんとも言へぬ風情あり。    分かちあふ人のゐる仕合わせ。 夜更け子は机のまへに揺れはじめ白井の着地のやうにこらへる 「お~いお茶」のボトルをべしと子は潰す模試の結果を尋ねたるとき     桐江襟子    その年ごろの子を持つ母の観察眼がなんとも好もし…

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短歌人誌 十一月号より その三

涼風のたてば散歩に出にけり露草もやうのてぬぐひ持ちて     佐々木順子    てぬぐひ、藍がにほふやう。 さきたまの日高の地へと高句麗人の来たりて今年千三百年     白川郁子    来歴由来を言つて、ゆかしい。 外の面にはだあれもゐない内緒ばなしの老女二人を秋の日くるむ     齊藤壽子    わたしも、どうぞお仲間に。 …

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短歌人誌 十一月号より その二

夕やみに佇む人とおもひしがふと門柱になつてしまひぬ     鈴木秋馬    「誰そ彼」 病院の待合室の窓に見るマンション三棟なつ空すこし     古川陽子    一枚の絵、習作小品。 自死をした友達のいたアパートの部屋には別の人が住む夏     笹川諒    人はそれぞれの生活を続けてゆく。 何時の日か真白き布に包まれて…

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